こんなブログの書き出しは今年2度目である。
「親しくお付合いして戴いたお客様であり、釣りの先輩が亡くなった。」
全く同じ書き出しは、今年2月の「追憶」(http://www.daiichi-printing.com/blog/02/1664/)で記した。
悲しいブログです。
先週水曜日、A氏が亡くなった。
A氏とももう20年来のお客様であり、又、釣りが大好きな方で、一緒にアマゴ、イワナ釣りを楽しんだ。
A氏は非常にアイデアマンで、テントの中で酒を二人で飲みながら、よく商売のアドバイスをしてくれた。
今でも思い出す話は、
「伊藤さん、紙芝居を作って、幼稚園に売り込め」
と言う企画だった。
確かに、厚紙を主流とする会社としては、ソフトの時代にとても則した良いアイデアと思う。
寂しくて、想い出の釣行写真を開いてみたら、尺越えアマゴを釣って、満面の笑みのA氏が残っていた。
<尺アマゴを釣って満面の笑みのA氏>
何か、この度は、魔界に引きづり込まれたみたいだった。
前々回、「毎秒3t」(http://www.daiichi-printing.com/blog/06/1811/)で書いた様に、昔の水量はすごかった。
タイトルの写真を見て下さい。
この立ち位置から、後、一歩前に出ると流されてしまう。
しかし、6.1Mの竿では、向こう岸のポイントに届かない。
ヤマメ釣りを始めた頃、竹竿では3間の竿(5.4M)でも珍しかったが、竿の重量が有り、長時間での、又、川幅のある本流の釣りは出来なく、沢釣りが主流であった。
それが、時代と共に、グラスファイバーになり、カーボンになり、軽量化され、今では7M以上の竿も有る。
釣り師は竿一杯に腕を延ばして向こう岸を狙う。
あと一歩踏み出すと激流に流される。
でも届かない。
それで、片足を上げて、上体を前倒してポイントを狙う。
向うの、最良での最高の位置のポイントは、誰も竿を出せない、とても魅力的なポイント。
その川の『ただもの』でないビッグな主(ぬし)が居る。
魔界の大物だ。
これを釣らずしては、男のロマンは生まれない。
足元の水流との戦いだ!
手元で釣れたアマゴは、20cm足らずの面白みのないサイズだ。
やはり釣り師はバランスを崩しながらも、魔界の大物を狙う。
それが釣師の宿命だ。
魔界には『ただもの』でない伝説の
「ウサギを飲み込んだ一尺八寸の大イワナ」
が居る。
「虎穴に入らずんば 虎児を得ず」
Aさん!!
竿を持つ度に想い出します。
梅雨が明けたら、二人でよく行った大井川西俣で、Aさんを想い出す釣りに行って来ます。
さようなら
お世話になりました
合掌
<西俣でのA氏と僕の記念の写真>
記 ダボ・イトウ