「みうらじゅんの本を読んでいる」
と、一寸前のブログに書いた。(http://www.daiichi-printing.com/blog/07/1877/)
彼はかなり進歩的?な人と、62才になった自分は思うが、その彼にして、「アダルトグッズ」がドンキホーテで大陳列されて売っている事に違和感があると書いてあった。
御歳50才?の彼にしても、アダルトグッズは場末の暗い路地裏の小さな店舗で売っている感覚で、ドンキホーテの大陳列の中では少し抵抗が有ると言う様なニュアンスの文章であった。
みうらじゅん氏にあってもそんな感じがすると言うので、彼よりも10才も年寄の自分の感覚を試そうと、ドンキホーテのアダルトコーナーへ行ってみた。
確かに『18才以上』の暖簾が掛かっているが、誰でも入れる。
高校生だって入ろうと思えば入れる。
入って商品を見て、時代の変化を肌で感じた。(試用したわけではありません)
グッズが山と積まれている。
自分の想像した数倍の種類と品数。
正しくドンキホーテの大量陳列、立体陳列の真骨頂であった。
考えさせられた。
時代は何の分野に於いても、垣根が無くなっている。
ドラッグストアで日配品までも売るし、コンビニエンスストアが宅配を行う。
大型電気店では、家から電気自動車まで売る時代だ!
旧体然とした商売では、どんどん商権は侵略されてしまう。
印刷業界も「業態変革」を合い言葉に、新たなスタンスを持てと、上部団体から指示があるが、活路が見出せない。
むしろ、紙媒体から電子媒体への流出が止まらない。
昔から有る、七間町の裏側のそれこそ裏路地のアダルトグッズ店「●猫」はどうなっているのか?
一寸気になって行ってみた。
なんと、シャッターが降りていて、「暫し休業します」との貼紙がしてあった。
安売り競争に負けたのか?
あの女主人はどうしたのか?
気になった。
特殊でニッチな商売でも、この有様であるから、余程、時代を見据えないと生き残れない。
もう一つ思い出した事が有る。
30年程前、未だ子供が小さい時、横田町を車で走っていたら、オモチャ屋さんの閉店の貼紙を見つけた。
『全品、閉店に付、特価』
の貼紙を見て、何か子供に安い物を買おうと思って入った。
その店の右側のショーウィンドの中(しっかりと、30年も前の事だが、その光景が目に浮かぶ)には、大量のアダルトグッズが有った。
そこの女主人の方に話を聞いて
「この様な商品を売るには、公安委員会の許可が必要」
「商品は東京鴬谷の業者が持って来る」
「酔客の通らない横田町では売れない」
との様な会話をした。
「おばさん、このアダルトグッズも値引きか?」
と聞いた処、「安くする」との答え。
それでは、
「このショーウィンド、全部でいくらだ!」と聞いた処、
「50,000円でどうだ!」との返事。
透かさず「30,000円で全部買う!」と言ったら、
女主人が「売った!!」
と言って、全部を買った。
当時の30,000円なので、結構高価である。
そして、子供の為のオモチャは買うのを忘れた。
売れなかった商品なので、段ボール3箱もあり、そのアダルトグッズを車に乗せて、その後、得意先様の若い人(同年代)に配って廻った記憶が甦った。
あの頃は、段ボール3ケースのアダルトグッズを配るだけのお客様の数が有ったが、今ではそれを喜ぶ様なお客様が居ない。
お客様も年を取ったし、アナログ的な動きの商品では、誰も喜ばない。
時代はデジタルの時代だ!!
昨日、お寿司を食べに行った。
注文したのは「とびっ子」。
「親父、今流行りの「とびっ子」を握ってくれ!!」
「はい!オーダー オン」と親父。
アナログ職人の親父にしてはデジタルだ!
記 ダボ・イトウ