『世の中(欧州情勢)は複雑怪奇』と言って、辞職した戦前(古い言葉です)の首相が居た。
自分の思考の範疇では物事は動かないと言う事を時代は証明している。
昨年、日銀の黒田総裁が、金融緩和を唱え、マネーベースで通貨発行量を倍にして、デフレからの解消を目標とした日銀策を実行した。
これに依り、円安が起こり、輸出は伸び、日本経済は活気づく筈であった。
そしてこの一年「この方策は効果が出つつある」と言い続けていたが、先週、追加緩和策を行った。
「効果が出てる」
ならば、追加は必要がないと思うが、より強力に、力強い経済発展の為と言う。
丁度、このタイミングでFRBの金融緩和に歯止めがかかり、円安は一段と進み、先週末の市場では115円台となって、今度は円安の弊害が起こりつつある。
本当に世の中は複雑怪奇である。
黒田総裁は本音で話をしているのであろうか?
建前で話をしているのか?
本人でなければ心の中は解らない。
今まで不況に追い込んだと、三重野総裁を批判していた声は、近頃聞こえなくなった。
あれ程、「やり過ぎだ」と言われた総量規制も、今では規範として懐かしい。
建前上では円安がもたらす輸入代金の増加には「影響を注視する」との表現で終わる。
本音は言いたくても言えず、建前だけでも良くはならない。
アメリカの金利が少し上がると、円安は進むだろうか?
理論的には円安は進むが、進まない時は
「市場は織り込み済みである」と後になって評論出来る。
どちらにしても複雑怪奇。
本音と建前の中で時代は進んでゆく。
時代に翻弄されて、人は生きてゆく。
そして庶民は丸焦げになる。
丸焦げの焼鳥は旨くない。
ジューシーな焼鳥は火加減が大切である。
施策も火量の調整が名経済運営となる。
日銀政策会合には、庶民の生活が掛かっています。
よろしくお願いしますよ〜。
記 ダボ・イトウ