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引退(いんたい) VOL.4 – NO.317

君原健二選手

引退を広辞林で調べてみると、

『官職、地位を引くこと』

と書いてある。

有名人が引退を続々と表明している。

浅田真央選手が4月10日、ブログで突如現役引退を表明したし、日曜日に行われたサントリー・レディース杯で世界ランキング1位になった事もある宮里藍選手も現役を終えた。

その一方、ロンドンオリンピックボクシングミドル級で金メダルを獲得した村田諒太選手は、先の世界タイトル戦で疑惑の判定負け(これはWBAの会長の言葉で、門外漢の僕の判断ではありません)を期して、現役続行か?と去就が注目されていましたが、再度世界ベルトを狙うと、現役続行の宣言があった。

僕らの世代は、3度のオリンピックに参加して、メキシコオリンピックマラソンで銀メダルを獲得した御年75歳の君原健二選手が、「今だに市民ランナーとして走っていて、4月のボストンマラソンでも完走した」とのニュースを耳にして、『やめる』『やめない』の判断は、人それぞれであり、その人の生き方である。

 

しかし、この判断はすごく悩むであろう。

『やめる』『やめない』と言う判断は、外圧や環境の変化に依ってもたらされた時は、それ程悩まないで済む。

ボクシングで活躍して「浪速のロッキー」と呼ばれた事のある俳優赤井英和氏は、現役続行は出来ないと言う環境でボクシングをやめ、俳優として成功した。

赤井氏には、ボクシングの存続の選択はなかったのである。

あったのは、その後何の道に進むかと言う悩みであろう。

流石、一流の人は、何をやっても一流の事が出来る。

 

 

僕は、12年前の今日『6月13日』に酒飲みから引退した。

外圧(脳梗塞)が有ったので、悩まずしてやめた。

この酒をやめて、環境が変化して、自分の周りの景色が「ガラッ」と変化した話は次回のブログで書きたいと思う。

この床屋さんです

引退という言葉は、「官職や地位を引く事」と最初に書いた。

単に酒をやめることを引退と言うな!と言う声が聞こえる。

先日、床屋に行った。

この床屋さんは、昨年末に新規開店した。

店主はその昔このブログで書いた「慮る」(http://www.daiichi-printing.com/blog/09/1992/)で書いた事のある低料金店で髪を切ってくれて、馴染みになった人が独立した。

その時、開店記念に会社のカレンダーを差し上げたらお店に飾ってくれた。

そのカレンダーを見たお客さんが、この店主に言ったそうだ。

「第一印刷の伊藤さんは、すごく大酒飲みで、飲み歩いている人だね」

 

酒をやめて(平成17年6月13日)もう12年、今日で経ったが、悪い噂は今だ生きている程、地位を獲得していたから、引退と言う言葉を使っても良いだろう。

昨日も、福井県大野市南部酒造の冷酒『花垣』が届いた。

酒を飲む事をやめた自分だが、酒を購入して皆に紹介する僕のスタイルは引退が出来ない。

「彼の人との思い出」も「青春時代の悪評」も引退できない。

発症12年後の今日です。

あの日は、未だ母親が健在で朝飯に大生姜を使った「生姜ご飯」を炊いた記憶が戻って来た。

生姜ご飯
僕の得意だった初夏の味。
(あの日以来作る事がなくなった)

 

 

         記 ダボ・イトウ

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