石津謙介氏がVANのブランドを立ち上げたのは1951年と言われている。
アイビールックと言われるアメリカのお洒落な大学生の格好を、日本で紹介、販売し始めた。
週刊誌「平凡パンチ」の表紙に描かれたあの姿である。
丁度、高校に入学した時(昭和42年)、チェックの柄のボタンダウンのシャツ、濃紺のコットンパンツ、スリッポンシューズ、コードバンのベルトは憧れの姿で、七間町の「エビスヤ」のショーウィンドウを眺めたものだ。
高校時代、この姿を具現化して着ていた友達が居る。
H.S君だ。
彼は背が高く、中学時代、バスケットをしていて、他校であったが何回か試合で顔を合わせ知り合いになった。
中学の時から、オーラの輝くプレイヤーであった。
高校で同級生となって、「一緒にバスケット部に入らんか?」と誘ったが、彼は坊主頭で歯を食い縛ってのクラブ活動が似合うタイプではなく、何をさせても軽く上手にこなしてしまう人間で、やはり固辞され、僕も当然だと思った。
(年を取ってからは期せずして坊主頭にしていたが。。。)
背が高く、ハンサムで、趣味も幅広く、学業も出来て、家柄も良く、非の打ち処のない友達だった。
その彼が、1週間前の13日の月曜日に亡くなったと連絡が入った。
最近、具合が悪いと聞いていたが、現実に亡くなるとは思いもよらなかった。
数年前は、日赤病院に僕が検診に行くと、しばしば会って話をしたものだが。。。
「ひとし〜〜」
と特徴のある抑揚で話しかけて来て、若い時のお互いのヤンチャな時代を話し合ったものだ。
上記の写真が一緒にゴルフをした最後となった。
60才をお互い過ぎていたが、彼の着こなしは高校時代と変わらず素敵でお洒落であった。
葬家の挨拶の中で、息子さんが、
「父は競争で人を蹴落とすなんて言うことより、優しい生き方をしろと教えてくれた」
と言う話を聞いて、正しく彼らしい生き方を貫いたなぁと感じた。
同年代の友達が亡くなって、本当に淋しい事である。
ご冥福をお祈りして
「サヨナラ! 寿夫!」
記 ダボ・イトウ
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