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水 VOL.6 – NO.438

仏壇にあるグラスに水を替えるのは夏場では1〜2日、冬場の此の頃は4〜5日に一度の習慣である。

20年程前は毎日水を替えていた。

お線香は朝出社する前に必ず兄貴の家族の分と合わせて8本火を付ける。

浄土真宗大谷派(東本願寺)なので、お線香は立てずに横に寝かせるしきたりである。

左側が母親のグラス、右側が父親のグラス

母親は平成18年11月2日に亡くなった。(享年95才)

平成18年の9月15日、自宅のベッドで軽い脳梗塞に罹り日赤に入院。

その年の3月10日に大腿骨を折って2ヶ月入院していて、やっと退院したばかりであったが、寿命と言うことか、今度は脳梗塞であった。

左半身に麻痺が残り、口からの食事が採れなくなった。

水も飲めなくなった。

水を飲むと誤嚥性肺炎になる恐れが有ると言う事で、点滴と、口を濡らしてあげるだけの看病になった。

やはり水を飲みたいが、医者に止められていたので、我慢させた。

「水を飲みたい、飲みたい」と死んでいったので、仏壇にはその時の事を想い出して「沢山飲みな!」と捧げる。

死んでからでは遅いので「あの時飲ませたら」といつも反問している。

母 伊藤千代子

僕の寝床の脇のテーブルには、毎晩一眼レフカメラのレンズの形をしたコップにウーロン茶を入れて寝る。

このカップは次女がプレゼントしてくれた

夜中に喉が乾くのである。

普通のカップの他にもう一つ用意してある。

2杯飲んでしまうと、500mlは飲むだろう。

(僕は酒は飲まないので、飲み過ぎて喉が乾く訳ではない)

父親 伊藤勲

父親も寝床の脇のテーブルに必ず水を置いて寝ていた。

年寄りになると喉が乾くのか?

寝る時は必ず水を置いてあった。

僕も年寄りになって、父親に似てきたのか?同じ習慣だ。

その父は、平成11年2月19日午後1:57に亡くなった。

明日は命日です。

今朝、仏壇のグラスの水は波々と注いで来た。

今からお墓に行ってお花を上げて、グラスに水をたっぷりと盛って、父親と母親と話をして来よう。

 

 

 

        記 ダボ・イトウ

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