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類稀れ(たぐいまれ) VOL.9 – NO.601

聖隷クリストファー落選

 

印刷業界では「どんでん刷」と言う用語がある。これは表裏印刷の時、版を替えるのではなく、紙を左右反転させて同版で、版替えなく印刷するという方法である。

 

つまり紙を左右ひっくり返して刷ると版が「表・裏」と2版の必要がなくなるという事だ。ではこれで全て印刷が出来るか?という訳でもない。数量が少なく、裏返しの時インキの裏付きが生じたり、面付の具合で「どんでん刷」ができない事も多い。

 


(注)
この方法は紙を左右にひっくり返すが、天地方向に反転させる「だるま刷」と言う方法もある!こちらも制約が多い。この2つの方法は通常では行われないが、出来ないことは無いという類稀れな方法である。滅多に無いという事である。


 

 

1月28日、春の選抜高校野球甲子園大会の出場校の発表があった。日大三島高校が、東海大会で静岡の聖隷クリストファー高を破って優勝したので選抜されたが、準優勝で当然選ばれると思っていた聖隷クリストファーが選ばれず、大垣日大が東海枠の2校目となった。静岡人としては非常に残念である。

静岡高野連の上部団体への意見説明も類稀れな事で静岡県民は評価したい。

 

選抜モレは正しく「どんでん返し」という表現でも良いと思う。
鬼嶋一司委員長の選抜の説明の是非は色々と人に依って変わるので、ここでは記さないが、印刷の「どんでん刷」は類稀れな作業である。

何故なら最初に記した様に、制約が仕事内容で多くあると、一見版数が少なくて良い様に見えるが、弊害も多く、トラブルの発生率が高いのである。従って、あまり通常の作業ではない「どんでん刷」のどんでんは歌舞伎の舞台装置が一変する事から来ているという。(強盗返し)からの由来と聞く。大道具をひっくり返して瞬時に場面を切り替える強烈な意外性で、観客は予想外の展開で終わりを迎え喜んで帰る。

 

今回の聖隷クリストファー高の選抜漏れは予想外の出来事であったが、県民は喜んで終わるストーリーとはならなかった。類稀れな後味の悪い終わり方であった。相撲用語で言えば「うっちゃり」と同じだ!!「勝った!」と思ったら「負け!!」である。

 

テレビでは何時も流れている校長先生への選抜報告の電話も「どんでん返し」で取材陣も類稀れな経験をしたであろう。大垣日大の映像が流れなかったのは、聖隷クリストファー高を慮ってのことか?取材陣が居なかったのか?

 

 

 

 

        記 ダボ・イトウ

 

 

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