上記の写真は僕の父である。
昭和20年8月、大日本帝国は開闢(かいびゃく)以来の敗戦で、日本の統治機構は解体され、軍隊は解散させられ、陸軍少尉伊藤勲は予備役に編入された。
(軍歴ではこの様に記載され保管されている筈である。)
さあ、軍隊で仕事をしていた父は困った。
生活の糧が根底から崩れた。
生前、父はよく言っていた。
「軍隊は公務員みたいなものだ!」
そんな父だったので、復員後、「物価統制組合」に勤めた。
しかし、経済状況が少しずつ安定して来て、統制組合の様な組織も役目を終え、解散となった。
公務員的(?)仕事が向いていた父は、又困った。
(この統制組合勤務時に母と知り合ったらしい)
親戚筋に印刷に関する仕事をしている人が居て、復興日本の時代に成長産業に感じた父は、印刷業に身を置いた。
これは昭和24年である。
その後、法人組織化に改めたのが昭和28年で、その法人1期から先月1月末で63期を終えた。
今日2月1日より、法人64期が始まっている。
創業者の父が常に言っていた言葉は
『仕事のある時は人が居ない。人が居る時は仕事が無い。』
確かに好景気の時は人が足りないであろう。
不景気になれば人が余る。
63期の一年を振り返ってみると、売り上げは減少、工場の稼働は?と考えてみた時、工場の皆さんは忙しかった。
暇ではない。
これはやはり、少ロット・多品種の時代の流れであろう。
そして、又、原油価格が上がる時は常に値上げが有った原紙も、原油が安くなったからと言って値下げは無く、作る商品だけが価格が落ちた。
泣き言だけを言っていても仕方ない。
先代の社長が45年間耐えて、継続して来た仕事を前に向って前進させる気持ちである。
今年年頭のブログ「融合」(http://www.daiichi-printing.com/blog/01/2966/)で書いた様、会社も、会社に従事する僕を含めた全員が、身体の半分(会社の考え方も)完全に今までとは違うスタイルにして、進んでゆく決意です。
皆様のご協力とご愛顧を賜りたい。
あと2ヶ月もすると「CNF(セルロースナノファイバー)の塗布機」も完成する。
又、ソフト面では『凄技』と書いてSUGOKUWAZUKA(凄くわずか)と言うスタイルで、パーソナルユース用に展開出来る少ロットで生産するシステムを展開する。
平成19年度の行動指針を再び甦らせて、64期を行う今日の覚悟です。
記 ダボ・イトウ