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究極 VOL.3 – 244

何時もこのブログでは固有名詞は使わないことにしているが、今回は全国何処のデパートや店舗で販売されて有名な品ですので、名前を記しても問題なかろう。

 

毎朝、おむすびを握っている。

重量150gのデカ握りです。

このおむすびを作る時、何かを必ず混ぜる。

特に一番好きなのは、大阪の「神宗」の「塩コンブ」を入れて握ったおむすびだ。

針の様に細い塩コンブは絶品です。

2番目は何と言っても、やはり大阪の「西利」の「しば漬け刻み」を入れたおむすび。

今日は「錦松梅」を混ぜてきた。

ラップに包まれた「錦松梅」むすび

混ぜた握った後、ラップに包む。

このラップに包んで、食べる時、レンジにかけると、おむすびが締ってしまってせっかくふんわり握った品が餅状になるのが気にくわん。

キッチンペーパーで包めばお米が紙に着いてしまうし、アルミホイルではレンジは使えない。

 

竹皮

近頃、コンビニのおむすびコーナーで塩むすびを言って、何も具材を入れない品が用意されている。

おむすびが、一番消費者受けする包材は「竹皮」だ。

本物の竹皮は内側が滑りが良く通気性が充分であり、防菌性もあるとも言われている。

竹皮と言うと、20歳台の頃、お客様であったT社のT社長を思い出す。

色々な事を教わった。

T社長が言った「僕は静岡県で一番竹皮を扱う業者だよ。天竜の方から多く集める。」と教えてくれた言葉が、40年も経った今でも僕の耳に残っている。

竹皮は究極の包材資材である。

ご存知 虎屋の羊羹

前々日、久らくご無沙汰をしている東京のKさんが「虎屋の羊羹」を送ってくれた。

この箱を見てください。

正しく日本を代表する銘菓です。

木製の角が寸分の狂いも無く、触ってみても全く段差を手に感じない、究極のパッケージだ。

私達はこのパッケージを生産する仕事に従事しているが、紙に印刷されて、価格が適正であり、価値観に合う仕事が求められている。

 

下段の写真も見て戴きたい。

入っているテディーベアの人形は700円。

外のパッケージは1,000円である。

しかし、このパッケージが無くビニール袋入だけでは、ギフトにはならない。

この人形の購入者を見ていたら、8割の人が箱入りで買っていた。

これが、包装資材の価値だ。

私達も毎日毎日、パッケージを作っていると、この包装材の価値を見失いがちだ。

生産性の良い形状、印刷のし易いデザイン等、本筋から離れてしまう事が多々ある。

こんな話を社員の皆様に寅屋の箱を見せて、させて戴いた。

その後、この羊羹を皆で分けて下さいと提案したら、アミダクジを作って当選者を決めた。

 

当選者が決まった後には、本来心に残して欲しい事は『パッケージを作る側の者にとって「本質は重要」』と言う事であったが、もう誰もパッケージの話をする者はいなくなり、『当選者は誰?』『分けて平等に食べれば良かった』と言う話になってしまった。

究極の話は、毎日の仕事の中で虎屋の木箱の事を思い出して欲しいと言う事で、「喰い損なった」とか「誰々さんは運が良かった」と言う話ではありません。

 

 

       記 ダボ・イトウ

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