南紀雑感Ⅱです。
前回は、公衆トイレの綺麗さと水田の引水の話がⅠでした。
(http://www.daiichi-printing.com/blog/05/3244/)
それ程、何処へ行っても見事に清掃されたトイレでした。
本来、名所や名跡を訪れる事が旅の楽しみであり、見た事の無い風景を見る感激が一番先に来る筈なのに、今回は一寸違った。
那智勝浦の忘帰洞温泉に宿泊をしてから、翌日は念願だった鯨の町、太地町に行き、昼食に鯨を食べた。
その後、紀勢本線で白浜に向ったが、1本列車に乗り遅れると1時間半待ちのダイヤとは驚いた。
僕等がまだ20才台になる前、紀州白浜は新婚旅行のメッカと呼ばれていた。(恐らく昭和30年代の話であろう。)
静岡の人間からすると、メッカと呼ばれていた位なので、至極賑やかな大きな温泉地で、人も大勢、と思ったが、近頃の新婚旅行のカップルはあまり来ないと言う、仲居さんの話だった。
先の、那智の滝と比べると、栄えて続く処、栄えても枯れる処、色々とある。
円月島と言う、夕陽が落ちで、円の洞に入る景色は綺麗だった。
しかし、5時を過ぎたらバスはもう運行していなく、徒歩でホテルまで帰った。
でも、やはり名所を見る。
古人達から今に伝わっている風景や構造物は、流石、時代が流れても、不変のものだ。
日本三大滝(華厳の滝、袋田の滝)と言われている那智の滝は、霊験豊かで延命水と言われる水を浴び、一口飲んで来た。
熊野古道も少しだけ、大門坂から歩いて、古の人々の感慨を共有して来た。
那智の滝は、落差133mで、熊野那智大社の別宮、飛龍神社のご神体としてその起源は神武天皇の時代まで遡ると言われている。
2004年にはユネスコ世界遺産に指定され、日本人の自然崇拝の魂の聖地である。
脈々と日本人の心に根付いている気持ちに、今後も恐らく永く続いてゆくだろう。
記 ダボ・イトウ