東京に一寸用事が有って、出掛けた。
近頃は酒を止めたので、新橋のガード下で焼鳥と日本酒を一杯なんて楽しみは無くなった。
この一杯が有った時は、必ず、時間通りに帰れない。
ついつい飲み過ぎるので、帰りの新幹線の指定予約は買わなかったが、
近頃は、行きに帰りの指定を取るが、反対に一列車早い指定を取り直す様な行動に変った。
一杯飲んだ後、大丸の隣の東京温泉に入る事も、楽しみの一つだったが、東京温泉は今では無くなっている。
今年、大手町温泉が出来た様なので、今度行ってみよう。
新幹線は折返し運転で、上り列車が東京に着くと、15分程度で下り列車となる。
この時、列車が来るのを待ち構えている人達が、清掃の女性達だ。
日本の列車の時間は正確なので、到着5分前に整列して、降車客に礼儀正しく頭を下げる。
乗客が降り終わると、一斉に清掃活動に入る。
僕等が子供の頃とは列車の清掃風景も、乗客のマナーも全くの様変わりだ。
僕の母親は東京の早稲田の育ちだったので、子供の頃はよく東京の親戚の処へ一緒に行った。
新幹線が出来たのは、昭和39年(僕が中学一年生の時)なので、子供の頃は準急列車に乗って行った。(特急には乗った事が無い)
この当時、列車に乗って駅弁当を食べると、母親から、
「均、弁当を食べた後は、紐を掛けて座席の下に入れなさい。」
と常に言われたのをよく覚えている。
今では考えられないマナーだ。
それが当時の常識であった。
それと、先程の列車の清掃の女性達。
一寸時代を振り返ってみると、この清掃の女性の年齢の違いだ。
写真の女性達は皆、50才台以下であった。
子供の頃の記憶では、もっと高齢で、もう少し無愛想であった気がする。
10分足らずで折返し運転を可能として、又、降車客に対しても笑顔で挨拶をする。
乗客にとっては、至極気持ちの良さと、利便性を感ずる。
なにげなく、時代の変化に、当り前になっている自分が居るが、「ふと」考えが浮かんだ。
それは、前述の弁当箱の処理ではないが、全く違う方向に時代は変わっている。
今の列車の清掃の女性達を採用する時は、高齢であったり、無愛想な態度の人は採用されないであろう。
このサービスの良さを求める社会が「格差」を生んだ。
職の選択の幅が厳しくなっていないだろうか?
『果たして』求めている社会は、人を幸せにするのか?
又、逆に『格差』を作り出していないか?
マナーも、普遍的なものでなく、時代と共に変る。
昔、廓だけで通用していた●●●が、今では一般家庭にまで、、。
ビックリ西鶴!
(駅弁を食べる時、フタに付いたご飯から食べると言う当り前だった習慣は、今も残っているかな?)
記 ダボ・イトウ
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