近所に回転寿司がオープンした。
近頃は、格安の寿司店は次々と出て来るが、昔からの独立店の店舗の数は減少です。
僕の自宅の近くに有ったN店も、U店も閉店してしまった。
この回転寿司が流行る一寸前は、持ち帰り寿司チェーンの隆盛の時が有った。
K僧ずしとか、K銭ずしとかの店が色々な処に有ったが、最近は全く見えなくなってしまった。
最盛期K僧寿司のフランチェイズ店は、全国で2,000店舗を越えると言うことを聞いた事があるが、現在はどうなっているのだろう。
僕の手元に喜多川守貞の名著「守貞漫稿」が置いてある。
この本の事は皆さん、ご承知のことと思うが、江戸時代の末期(天保〜嘉永)に書かれた当時の風俗を細述した書である。(イラスト付き)
その中に、羅宇屋(らうや)と言う職業が載っている。
煙管(キセル)の吸口と雁首との間の竹の部分を交換する職業で、江戸の時代には必要欠くべからずの職業であった。
先程の寿司屋の変換と同じく、時代と共に栄える業態、衰える仕事も出て来る。
有史以来、長らく5,000年以上続いた文明は、ルネッサンス時代を迎えて飛躍的に上がった。
それまで、5,000年で作られて来た書籍は、グーテンベルグの活版印刷の発見で、僅か50年でその数を超えたと言われる。
その為、印刷は、人類史上最大の発明と言われる。
印刷業界もその恩恵に与り良い時代でした。
そして、活版 → オフセット → デジタル と変革をしている。
時代に合わせた仕事をするのが生き残る方法だ。
この処の業績の低迷は正しく羅宇屋になりつつある。
近頃は、回転寿司で手を綺麗にするのは紙おしぼりだ。
近所の寿司屋U店で、子供の頃、カウンターに水が流れていて、手を洗った記憶があるが、あの流れている装置は近頃、全く見た事がない。
「消えた!」
記 ダボ・イトウ