昭和12年11月4日、呉海軍工廠でキール「竜骨」を置かれた戦艦「大和」は、昭和15年に進水式が行われ、その後 兵装が施され連合艦隊に昭和16年12月に編入された。当時最大の45口径(46センチ)砲を9門、全長263m、全幅38.9m、基準排水量64,000tで、日本の運命をかけた世界最大の不沈艦であった。
46センチ砲搭載の戦艦は幅が大きくなりすぎる為、パナマ運河を通行できないと言われ、アメリカはこのサイズの戦艦は太平洋と大西洋を行き来が出来ず、太平洋の制海権はこれで握れると帝国海軍上層部は思い、当時アングロサクソン人の世界観と相いれない、有色人種の日本人としては避けて通れない戦いが始まると考え、「武蔵」と共に日本の将来をこの巨大戦艦に託した。「大和」は戦争を知らない僕らの時代の人間から現代の少年たちの夢を持たせる存在である。
大和ミュージアムが広島県呉市にあり、開場以来1,400万人もの人が訪れているという。
先月の6月20日、静岡県知事選挙の投票が行われた。
結果は、川勝氏が自民党の参議院を辞めて立候補した岩井茂樹を大差で破り4選目を果たした。川勝知事の再選でリニア新幹線静岡工区の問題は、又もう少し解決まで時間がかかるであろう。従って、2027年の開業は予定通りには進まないだろう。
現在、69歳のダボは、2027年なら75歳である。平均寿命より少し前なので、リニアに乗るチャンスはあるかも知れないが、これが5年も伸びてしまうと、寿命は超えてしまい、乗れないかもしれない。わからないが、川勝知事は「自分は乗るチャンスは無いと思っているかもしれない」
昭和16年12月8日、連合艦隊は空母4隻(赤城・加賀・蒼龍・飛龍)を中心とした機動部隊航空兵力で真珠湾を攻撃して大成果を納め、その後12月10日にマレー沖で海軍の一式陸攻がイギリスの戦艦「プリンス・オブ・ウェールズ」と重巡「レパルス」を航空機だけで沈めた。航空兵力が一瞬にして大艦巨砲主義を時代遅れにしてしまった。
僕の高校の先輩で、クラブでもお世話になっているS川さんがいる。S川氏は、もう45年以上前にアメリカで飛行機の免許を取得して、その後 日本でも空の操縦を楽しんでいた。もう45年も前の事である。
そのS川氏が教えてくれた事は、当時からアメリカでは飛行機がポピュラーな乗り物であって、「距離がある場所への移動には飛行機が普通だよ。」と聞いた。
近頃の話題では、車と飛行機の一体化だ。直線で空路を飛び、着地してから車として移動する。現実の話である。
リニア新幹線が努力の結果 出来上がったときには「大和」の様に、不要の長大物にならない事を祈る。大和の最後の出撃は、沖縄戦の援護の為と言われているが、本当の処は、「戦に負けて巨大戦艦が残っても仕方ない」という事が本当らしい。その為、巨額の費用をかけた艦と3,000名余の尊い命を海に沈めて、すべてを終わりにした。
リニア新幹線の完成時、時代はどうなっているだろうか?過去の日本の栄光のシンボルとしてしか、価値がなかったら残念である。
記 ダボ・イトウ