秋に入ったと言って良いだろう。
気温はまだ暑いが、徐々に秋の気配がする。
巨峰も幸水も甘く、果物好きの僕にとってはたまらない季節となっている。
味覚の秋も然りだが、何と言っても休日のゴルフは最高のシーズンだ。
真夏の暑さは弱まり、芝は枯れる前の青さを残している。
すると早めに予約を入れて、秋空の下のゴルフを楽しみにして、胸はワクワクして、「ベストスコアを出すぞ!」と想定していると、その日に限って台風が来て、ラウンドが中止になったりする。
想定が外れるのである。
プレーでも同じだ。
右が危ないから左にボールを打つ想定でスウィングしても、反対にボールは下手なので右へ出てしまい、OBになったりする。
つまり、想定はあくまで想定であって、実際ではない。
先日の新聞ニュースで心に残っている事柄がいくつかあった。
僕が外回りの営業をしていたのはもう30年以上前の事である。
その当時は、携帯電話などなく会社からの呼び出しはポケットベルであった。
それまでは会社に戻って初めてお客様と連絡が取れると言う時代で、別に困っていなかったが、ポケットベルの出現で画期的に連絡が早く取れる様になり、時代の進歩を感じたものだ。
当時、僕は30才台で父親は丁度今の僕の年齢くらいで、ポケットベルに何の必要性を感じていなかった。
のんびりとした時代に生きていると言う事である。
それからすぐに携帯電話が出現して、ポケットベルは活躍の場を失い、もう化石になると想定していた。
ところが、新聞記事ではそのポケットベルが復活していると言う様なニュースであった。
もう一つは空飛ぶ自動車の記事であった。
確かに現在ドローンの機能を見れば、そんなに遠くならず実現すると想定できる。
(2020年代に実現を目指すと言う事なので、後10〜12年のことだろう。僕は今の処この世に居ると想定している。)
先程のポケットベルの想定であるが、想定はあくまで想定である。
もう廃れると思っていたものが復活するし、実現は確実と思った事柄が想定通りにいかない。
3年前に会社ではセルロースナノファイバー(CNF)を使った「薄くて強い紙の生産」と言う事業にチャレンジした。
未来の素材と言われた。
ニュースで知って、チャレンジに値すると思って、挑戦した。
これで弊社の生産する紙器は安価で供給できると言う想定であったが、セルロース素材が今の処、99%水だと言う壁に阻まれ頓挫している。
そんな、簡単には物事は進まない。
先月、やはり問題となっていた官公庁での障害者雇用の水増し問題である。
この時の想定は、民間企業は不正が生じる想定だろうから、障害者手帳の記号の記入を求められる。
官公庁は不正はない、性善説と言う想定に成り立つので、確認の必要はない。
そして、不正を行ったのではなく、間違いだったと言う想定である。
(あと数年も経つと藁科川下流で蛍が見られる想定です。)
記 ダボ・イトウ