兄貴(信さん)はウナギが好きだ。
静岡に来ると必ず、鰻を食べたがる。
ゴルフに来た時は、静岡カントリー島田コースの手前に有る「うな一」でウナギを食べ、帰りの日本坂パーキングエリアの売店で、「鰹のヘソ」のフライを食べるのが、当たり前だったが、近頃ゴルフから遠ざかってしまったので、静岡に来る機会が少なくなってしまい、当たり前でなくなった。
母親の13回忌も近づいて来たので、ウナギを食べに来てください。
今日、東京からお客様がお見えになり、ゴルフを、今しています。
この後、プレーを終えたら、名店「うな一」に寄って、食事をして戻ります。
ウナギは蒲焼と言う。
僕の座右の書は「守貞漫稿」です。
この本は義父の遺品として僕が所望して貰った品だ。
江戸時代の生活、文化、風習等、細かくイラスト付きで記してあって大変面白い。
この中に江戸時代の「ウナギ」の食べ方が書いて有る。
ウナギを開かずして、串に刺して焼く。
その形が河原の岸辺に生えている「蒲(ガマ)」に似ていたので、ウナギ焼きを「蒲焼」と言う様になったそうだ。
今は「開く」ことが当たり前の時代であるが、当たり前なんて決して当たり前ではない。
当時は、ブツ切り・串刺し焼きが当たり前であったのだから。
近頃、このウナギについての面白い話があった。
ウナギを食すと言うと「土用の丑の日」と言うことになる。
「土用」は立夏、立秋、立冬、立春直前の18日間の期間で年4回ある。
特に夏バテ防止の為、夏のイメージであるが、立秋の前の丑の日と言うことで、今年は7月20日と8月1日が鰻セールが活発に行われた。
絶滅危惧種と言われているウナギだが、セール前に解凍して売れ残ったウナギの量は半端でない。
解凍して残った品は廃棄するのが当たり前で、その廃棄量についての報告を明らかにしないのが当たり前らしい。
夏バテ防止にウナギを食べるのが当たり前の風習も、ブツ切りでの料理が当たり前の時代もあれば、開いて調理が当たり前の時代もある。
つまり、当たり前は当たり前でなく当たり前でない事が当たり前になる。
川根温泉で風呂に入り、その後、島田の「うな一」でウナギを食べるのは当たり前であったが、今では絶滅した。
「あたり前田のクラッカー」と言った藤田まこと氏も知らない人が多いのが当たり前らしい。
記 ダボ・イトウ