紙は文化のバロメーターと言われる。
世界人口の内、2割の人が紙の生産量の内、8割を消費する。
そして、その8割の内、9割が北半球の人達で占められる。
所謂、先進国と呼ばれる国々の人々が、その消費の大部分を使っている。
その中でも、大きなウェートを占めている物が、『新聞』であった。
あったと過去形で書いたのは、新聞の購買者数が減っているからだ。
電子媒体(パソコンやスマートフォン)の普及が、紙に置き換わって来ている。
その様な訳であるから、私達紙加工業である印刷会社も、ご多分に漏れず、電子化の波に晒され、仕事量は少ない。
過当競争で、他社の印刷会社が100円と言えば、こちらは90円と言う。
こちらが90円と言うと、他社は80円と言い、80円と聞けば原価も仕入れも度外視して、今度はこちらは70円と言う。
際限の無い競争を繰り広げる。
市場が小さくなったり、需給バランスが崩れると色々想像出来ない事柄が起る。
僕は今よりもう少し陽の出が早い6月頃は、4:15頃、此の頃は4:45頃に出社する。
会社に新聞を届けてくれるお姉さんは必ず4:30頃に新聞を届けてくれる。
コーヒーを淹れ終わっている時なら、一杯を一緒に飲む。
色々な人と会話すると勉強になるし、世情が解る。
この新聞配達のお姉さん(?)に話を聞いて「ビックリ」した。
先程の価格の件の競争どころではない。
新聞も、若い人達の購読者は減る一方であるので、既存の契約者や新規の家は重要である。
この顧客の要望が凄い!
「新聞配達の貴女!家にはパチンコ店のチラシは入れないで!」
なんて言う家はおとなしい方だそうで、
「家には、スーパーとドラッグストアのチラシだけ入れて!」
と言われたり、(その都度、お姉さんはチラシを抜いたり入れたりするそうだ)
あげくの果ては、
「雨の日のビニールは取って入れてくれ」
なんて要望も有り、その都度お姉さんは軒下で、ビニール袋を破き配達するそうだ。(新聞は当然濡らすな!と要望)
何でも、人の話を聞いてみないと、
自分達だけが大変、自分達だけが無理している、自分達だけが厳しい仕事だ、
なんて思いがちだが、人の話を聞いてみれば、皆が大変である。
この話を聞いて、もっと、
今年のスローガン『踏ん張るぞ!』
を、今年残り2ヶ月半、肝に銘じよう!
徳俵からかかとが浮いて出ている様な、今日此の頃の毎日です。
記 ダボ・イトウ