秋分の日を過ぎ、果物の季節になっている。
故 夏目雅子さんが、作家 伊集院 静 氏と婚約を発表した時、レポーターの「婚約を決めた理由は何ですか?」の問いに『「葡萄」と漢字で書けることです。』と答えていたのを覚えている。
確かに漢字で書ける人は少ない。
「林檎」も同じだ。普通大勢の人は「リンゴ」と書いてしまう。
上記のリンゴは青森県弘前市弘前町大字甘味3丁目114番地の不揃 満足 氏のリンゴ園、一番左側手前の上から3番目のリンゴを取って写真を撮った。つまり「リンゴ」は特定された一個である。
このリンゴ1個を印刷物として100社の印刷会社に依頼をすると「100個のリンゴ」になる。つまり微妙に色が違い、本来なら1個であった現物が100個のリンゴに変わってしまう。この異差を解消しようと「ジャパンカラー」という基準が出来ているが、制約も多くなかなか難しい。
色に関しては、このブログで「波長」(http://www.daiichi-printing.com/blog/06/1818/)で書き、最近では「十人十色」(http://www.daiichi-printing.com/blog/01/5528/)で書いている。
つまり人間の目の感覚は年々 研ぎ澄まされて、その幅は非常に狭い時代の社会に私達は生きているのである。
色は光の反射によって目のセンサーに映し、感覚として判断される。目のセンサーは各自によって違いは出る。由えに印刷会社の社員の皆さんは、繊細な色の感覚の能力を求められる。先程 述べた「100個のリンゴ」は反射する光の波長の再現が難しいのである。では1個のリンゴを見ていても各自のセンサーに依って 又 異差が出る。この為 社員の皆様の仕事は大変である。ご苦労様です。
「波長が合う」と言う言葉は、人間関係を表す。
波長が合わない人とは疎くなる。波長が合う人とは親しくなる。無理して波長を合わそうとしても、異差が出ると色と同じくクレームとなる。印刷物は経年変化を起こすと「リンゴ」が紅から青リンゴに変わる。
この経年変化を作らない為には、耐光インキを使ったり、あまり日の当る所を避ける。
暗闇で色調を擦り合わせないと退色する。蛍光灯の下では駄目だ。電気を消して波長を合わす。(使える光源は蛍の光のみである)
追記 解る人は解る!
記 ダボ・イトウ